スネークヘッドがあくびをする理由ってなに??column
① 鰓(えら)の掃除や通水
最もよく見られる原因です。
スネークヘッドは空気呼吸(ラビリンス器官)を持つ魚ですが、同時にえらでも呼吸をしています。
その際に、鰓の中にたまった粘液やゴミを“口の開閉”で外に排出する動きが必要です。
大きく口を開ける動作=水を勢いよく通して鰓を洗う動作とも言えます。
🧪 特に、水換え後・濁りのある水・餌の粉が舞ったときによく見られます。
✅ ② 威嚇やテリトリーアピール(行動的意味)
他の魚や、自分の鏡像・手・水槽の動きに対して反応していることがあります。
大きく口を開けることで、「自分は強いぞ」「近づくな」というメッセージを出しているのです。
🐍 スネークヘッドは縄張り意識が強いため、単独でも威嚇行動を“練習”のように行うことがあります。
✅ ③ あごのストレッチ・関節調整(骨格的行動)
スネークヘッドは上下に大きく開く可動性の高い口を持っています。
大あくびのように口を開けることで、あごや喉の関節を調整している可能性があります。
💡 餌を飲み込んだ後や、満腹時に見られることが多いです。
✅ ④ 空気呼吸に関係した口腔内の調整
チャンナ属はラビリンス器官(空気呼吸器官)を持ち、空気を吸い込んで呼吸します。
この器官に空気を通す前後に、口を大きく開けて喉を開閉させる行動が必要なことがあります。
☁️ 特に酸素濃度が低い水中では、空気呼吸の動作の一部として「あくびのような動き」が強調されることがあります。
🎓 まとめ:スネークヘッドの「あくび」の主な意味
原因カテゴリ | 内容 | 見られやすい状況 |
---|---|---|
生理的動作 | 鰓の掃除・水流による粘液除去 | 水換え後、粉末餌の後など |
行動的サイン | 威嚇・テリトリーアピール | 鏡像や近づく手、人間などの刺激時 |
身体調整 | 顎のストレッチ・骨格の位置調整 | 餌を飲み込んだ後、満腹時 |
空気呼吸関連 | ラビリンス器官への空気吸引の補助 | 酸素が少ないとき、エアレーション不足時 |
📌 通常のあくびなら問題なしですが…
- ✅ 頻繁すぎる・同時に浮いたりぼーっとしている → 水質悪化や酸欠の可能性もあるため、水質チェックをおすすめします。
📖 関連文献:スネークヘッドのあくび行動と呼吸機能に関する研究
-
Stanley, J., & Preetha, G. (2016).
Pesticide toxicity to fishes: exposure, toxicity and risk assessment methodologies. In: Pesticide Toxicity to Non-target Organisms. Springer.
▶ 論文を読む(Springer公式)この章では、チャンナ属(Channa punctatus)などが呼吸刺激・外部刺激・水質変化などに反応して「あくび・咳き込み・粘液分泌増加」などの生理行動を示すことが報告されています。これは「鰓(えら)の粘膜刺激や水質異常に対する反射行動」であり、まさに鰓の掃除や呼吸器調整といった、我々が観察するあくび動作に合致します。